たいち、と呼ばれてなんだか目がさめた。
 覚めたら、呼んだ本人は気持ち良さそうに寝てた。
 
「…寝言かよ」
 俺はヤマトの鼻をつまんだ。
 そしたらヤマトは、眠ったまま軽く眉根を寄せた。
 俺は笑って、今度は頬をつついてみる。
 ヤマトは小さくうなり…手を伸ばした。
 
「──────…」
 抱き寄せられ、俺は大人しくその腕に抱かれた。
 頭の上のほうから寝息が聞こえる。
 
 馬鹿ヤマト、とつぶやいてみた。
 
「………ぃち」
 
 その声に反応したんだか何なんだか、ヤマトがまたつぶやく。
 今の…また、俺の名前?
 
 お前、俺の夢見てんの?
 …ホントに馬鹿だよな、馬鹿馬鹿馬鹿ヤマト。
 恥ずかしいんだよ、何も本人が横にいるときにそんな夢見なくてもいいだろ。
 しかもそんな寝言で人のこと起こさなくても。
 
 ───ほんとに、まったく。
 
 俺はヤマトの胸元に頭をすり寄せた。
 今は寝てるけど、こうするとたまにヤマトが頭を撫でてくれるのが好きだ。
 
「…馬鹿ヤマト」
 
 もう一度つぶやいた。…つぶやいたら。
 
 抱き寄せられた腕に、すこし力がこもった。
 
「──────…すきだ」
 
 咄嗟に、ヤマト起きてるんじゃないかと思った。
 思ったけど、寝息はまだ安らかなままだった。
 
 寝てる。
 
 それになんだか安心して、がっかりした。
 
 俺の名前寝言で呼んで。
 しかもその後に告白か。寝ながら器用な奴。
 
 そう思いながら。
 俺はそっと首を伸ばして、ヤマトの耳元に唇を寄せた。
 
 …馬鹿ヤマト。
 ほんとにもう、馬鹿で馬鹿で馬鹿で。
 だけど。
 
 
「───あいしてる」
 
 
 知らないだろ?
 お前の千の言葉よりも。
 …もっと重い言葉、俺はお前に隠してる。
 

今回もおまけが。わーいわーいv
こっちもご本人のサイトにアップされるまでは、隠しておきます。
……隠し方は普通でも、ひとっことも告知してないあたりが極道かもね(笑)